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『不登校』は”教育”×”福祉”の視点で…

文部科学省から2022年度の不登校(※1)数の調査結果が発表されました。

▼令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要
https://www.mext.go.jp/content/20231004-mxt_jidou01-100002753_2.pdf

▼令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果について
https://www.mext.go.jp/content/20231004-mxt_jidou01-100002753_1.pdf

小中学生で29万9,048人。前年度から5万4,108人(22.1%)増加し、過去最多となりました。前年度も5万人以上増加しているので、2年間で10万人もの小中学生が『不登校』になったことになります。文部科学省は、この背景には長期化するコロナ禍による生活環境の変化、児童生徒の休養の必要性を明示した「教育機会確保法(※2)」の趣旨の浸透などによる保護者の『不登校』に対する捉え方の変化もあるとみられる。と発表しています。

私たちが活動する宮城県では、小中学生6,188人(前年より970人増加)、高校生を合わせると7,740人。不登校率は全国平均を上回り上位6番目。そしてまだ発表はされていませんが、例年石巻市はさらにこの平均を上回ります。文科省が発表した不登校の背景ですが、石巻においては教育機会確保法の認知度は低いため、増加の背景とは考えにくいと思います。

ではどうして多いのか…明確な理由は私にもわかりませんが、行けない・行かない理由は驚くほど違います。100人いたら100通りの理由があると言ってもいいくらいです。本会のフリースクールに通う子どもたちが教えてくれる『不登校』の理由は様々で

・「友達からのいじめ」
・「先生の対応」
・「勉強がわからない」
・「自由度がまったくない」

そして印象的なのは

「理由なんてわからない。わかっていたら苦労しないよ」

これは何人もの子が教えてくれた言葉です。

子どもと日々関わっていると、私にはその理由が見えてくることがよくあります。この場合、本人に言わないことが多く、日々の生活の中で乗り越えてほしいと願いながら関わり続けます。そして年月が経ち自ら気づいた時は「あ~とうとうこの時がきたな」と思いながら丁寧に対応をしています。この文章を読まれて「この人は何を言っているのだろう?」と思う方がいると思います。そうですよね。わかりませんよね。それだけ理由は複雑なんだとご理解ください。

一つ言えることは、『不登校』は“現代の教育”だけが問題ではありません。“福祉”の分野も視野に入れて考える大きな課題だということです。

※1:30日以上休むと『不登校』の枠に入り、上記の人数の55.4%が90日以上休んでいる
※2:教育機会確保法(正式名称「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律」)は不登校児童が教育の機会を失わないことを目的に2017年度かに施行され、①休養の必要性 ➁学校以外の学びの場の大切さ ③「学校復帰」ではない「社会的自立」 ④公民連携 ⑤当事者への情報提供 などが書かれています。

代表 田中

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