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背中を押してくれた「子どもの権利条約フォーラムin東京」

1989年に国連総会で“子どもの権利条約”が採択されてから35年が経ち、日本でも1994年に批准してから今年で30年が経ちます。
ところが、日本では子どもの権利条約が広く認知されているとは言えず、「子どもが権利を主張したらわがままに育つ」「学校教育に支障がでる」など誤った認識を持っている人が少なくありません。

子どもの権利条約の前提には、子どもは「弱くて大人から守られる存在」という考え方があります。
大人に守ってもらわなければ、生きていくことができません。
大人が生きていくために様々な権利を持っているのと同様に、子どもも一人の主体として生きていくための権利をもっています。
子どもが弱い立場の存在だからこそ、その権利を守るために、私たち大人が子どもの権利を理解する必要があるのだと思います。

日常生活でも学びの場でも、社会の規則や制度に子どもの意見が取り入れられることは決して多くありません。
「子どもにはどうせわからない」「ものごとは大人が決めるもの」と大人は思ってきたのではないでしょうか。

今月の9,10日に東京で開催された“子どもの権利条約フォーラム”に、本会の子ども3名と参加してきました。
子どもの権利をテーマに、子どもが登壇するトークセッションやワークショップに参加したことで、参加した子どもは“子どもの権利”を理解したようでした。

小学4年生のAちゃんは、フォーラム参加前に
「学校の先生が、クラスの外国籍の子を差別するような発言を授業中にしたのはおかしいと思った。だから先生に自分の意見を伝えたけど、ごまかされた。その後作文に書いたけどどこにもコメントはなかったから先生が信じられなくなった。」と話していました。

子どもの意見表明に対して、向き合ってもらえなかった少し残念な話です。
しかし帰路の途中で、「今度は教頭先生に話してみようと思う」と今回のフォーラムが背中を押してくれたようです。

2023年に子ども基本法が施行され、“こどもまんなか社会”とうたわれ始めました。
私は子ども“だけ”が大切にされる法律ではないと理解しています。
冒頭で申しあげたとおり、子どもは守られる存在であり、その“守りかた”を示したものがこども基本法だと思います。

子どもは生まれた時から自分の意見を持っています。
それは、どの成長段階でも同じです。
私は、子どもと一緒に考え、時には悩み、喜び合える…そんな社会を想い描いています。

代表 田中雅子(通称:けろ)

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