新企画『ごちゃまぜプロジェクト ~地域協働型子ども包括支援~』とは
昨今では全国的に、不登校や子どもの貧困、児童虐待、未成年自死など、子どもを取り巻く課題が深刻化しており、私たちが活動する宮城県石巻市では、それが顕著に表れています。
そこで私たちは、小中学生、高校生、未就学児親子、高齢者…誰でも利用できるプレーパークを石巻市渡波地区(東部地区)につくります。
誰もが安心して集い、地域と子どもがつながる居場所をつくることで、孤立に寄り添った支援を行います。
また、1000坪~1500坪の広さの敷地を「どんな居場所にするか」子どもや地域の大人が一緒に考えます。
子どもはみんな“ありのままでいい”存在です。
私たち大人は、子どもが自分の可能性を信じ『生きる力』を育むために、子どもの成長を日常的に支える場をつくっていきます。
プロジェクトの目的
1.子どもの遊びと学びが保障されるプレーパークは、“やってみたい”に挑戦できることで、子どもは生きる力を育む
2.なにもしなくてもいい場所は、安心して過ごすことができて、相談したい時に相談できる大人が常駐している
3.地域の大人と子どもが日常的に出会うことで、地域コミュニティの再構築に繋がり、それにより子どもの孤立を防ぎ、地域の防災にもつながる
4.地域資源である各専門機関や民間団体が連携し、子どもが抱える多様な課題に対応し地域で見守る
5.制度にあてはまらない子どもを地域で支え、制度からおぼれ落ちた子どもを地域で見守ることで『子どもの孤立』を防ぐ
石巻市の子どもの現状と課題
【石巻市の子どもの現状】
・宮城県の1000人あたりの不登校児童生徒数は全国で一番多く(2023年度)、石巻市は毎年その数値を超えている。そのうち10~15%しか居場所を利用できていない
・石巻市のひとり親家庭の割合は8.5%で、全国の6.8%を上回っている
・石巻圏域の児童虐待通告件数は385件と増加している
・子どもの意志で利用できる居場所が公設のものは1軒のみ(石巻市の人口13.3万人に対し7~8軒必要) など
【石巻市の課題】
東日本大震災による地域コミュニティの崩壊や子どもの居場所が少ない影響で、地域住民、子ども支援民間団体・個人が”子どもと出会う”機会が非常に少ないです。
そのため”子どもの孤立”状態が生まれ、早期の発見が難しく、対応も希薄になることで重篤なケースに発展してしまいます。
子どもとつながれた場合も、制度にあてはまらない子がほとんどで、支援体制が整わないケースばかりです。
仮に支援が受けられたとしても、日常的な支援の仕組みはなく、ケアが不十分なことによって、支援終了後に再度問題が起こるケースや、年齢により支援対象から外れ再び孤立してしまうケースも少なくないのが現状です。
プロジェクトの内容
子どもからお年寄りまで誰もが安心して集い、地域と子どもがつながる居場所をつくることで、孤立に寄り添った支援を行います。
誰もが自分の意志で来れる『子どもと地域住民の居場所』が地域と子どものハブ役となり、子どもと地域住民が日常生活で顔の見える関係性をつくります。
地域住民とともに支援体制を構築し、日常的に情報交換を行うことで迅速な支援につなげます。
そうすることで、制度外の子どもを地域で支え、制度にあてはまる子どもは専門機関と連携すると同時に、地域での見守りを継続することで『子どもの孤立』を防ぐことを目指します。
“地域の子どもは地域で見守り育てる”を合言葉に、地域住民とともにそのような居場所づくりを行っていきます。
〇新規プレーパークの開設
・誰もが自分の意志で来られる『子どもと地域住民の居場所』であるプレーパークが地域と子どものハブ役となり、子どもと地域住民が日常生活で顔の見える関係性をつくります。
・子どもや地域の大人と一緒に「プレーパークをどんな居場所にするか」を考え、つくります。
・子どもと地域の大人が交流し、地域の大人の知識・経験を子どもに伝承します。
例:昔遊び、野菜やお米づくり、工作、山菜料理、アウトドアクッキングなど
〇子どもの遊び×学び×心のサポート
・プレーパークでは、子どもの主体性を尊重し、子ども自らが遊びを考え決断し、行動に移すプロセスを大切にします。
・開所時はプレイワーカー(子どもに関わる専門職)が常駐し、遊びの環境をつくると共にソーシャルワーク、地域コーディネーターの役割を果たします。
〇子どもの貧困への対策
・プレーパークや地域で収穫した野菜のフードパントリーを実施します
・地域子ども食堂の開催(週1回程度)
〇子どもの孤立を防ぐために
・プレーパークや地域行事で日常的に出会うことで顔の見える関係性が生まれます(下図左)
・地域住民や各種専門職が連携し、子どもを支えます(下図右)