
【月刊コラム「絵画のある暮らし」】#2
我が家の息子たち(長男10歳、次男6歳)は怪獣です。
とにかく何もかもが騒々しい…
そんな怪獣たちを鎮めるアイテム、それは…
紙とえんぴつ!
それを与えると、時間を忘れて夢中で絵を描き続けてくれるのです。
それを知ったこどぱにーのけろちゃんが、私たちをチャリティー絵画展に誘ってくれました。
とは言え、これまで子供たちを美術館や絵画展に連れて行ったことは一切なく(なんせ怪獣なもんで…)、どうせすぐに飽きて「早く帰ろ~」とせっつかれるんだろうな、と高をくくっておりました。
そんな私の予想に反して、長男は私の知らぬ間に、ひとりで何度も何度も絵画展の会場を出入りし、食い入るように絵画を眺めていたのでした。
ステキなご縁
「お母ちゃんにも観てほしい絵があるんだよ」
長男に手を引かれ連れてこられたのは、ゲストで来日していたヴィタリー・レスコフさんのブース。
「この絵を観てると心が落ち着くんだよ~」
それは、池のほとりに大きな木とスペインの古民家が描かれていて、青空がとても印象的な絵でした。
「鳥の声が聞こえてきそう」
そう言い放った長男の言葉にヴィタリーさんがとても驚いて、絵を描いていた当時のエピソードを興奮気味に教えてくれました(実際に鳥のさえずりの中で絵を描いていたそうな)。
長男もヴィタリーさんも言葉は全く通じていないはずなのに、なぜか2人は意気投合(笑)
なにか運命的なものを感じた私。
絵を観た時の素直な気持ちや、ヴィタリーさんとのやり取り、絵画展での思い出は、これからの長男の人生において、きっとかけがえのないものになるだろうと母は確信したのでした。
旦那は、絵を買いたいと聞かされた時、正直「冗談だろ!?」と思ったそう。
そりゃそうだよね。
単純にポンっと出せるような金額ではないもの。
でも、長男の心を揺さぶる絵画との出会いや、ヴィタリーさんとめぐり合せは、金額以上の価値があるのかもしれないと、購入に賛成してくれました。
まさにプライスレス。
実に清々しい気持ちで帰宅したことを覚えています。
今その絵は殺風景だった我が家の和室に温かみを与えてくれています。
「ヴィタリーさんの絵が家に来てから、あまりイライラしなくなったな~」
長男の心のパートナーとなったヴィタリーさんの絵。
今日も我が家の怪獣たちを優しく見守ってくれています。
6月の著者プロフィール
佐藤 友視(さとう ともみ)
女川町生まれ。
アラフォーのワーママ。
毎日せわしなく生きてます。
コーヒーを飲みながら、ゆったりヴィタリーさんの絵を鑑賞する時間を作ることが目標(いまだ目標達成ならず)。
絵画購入をきっかけにスペイン語を勉強中。
佐藤 結士(さとう ゆいと)
絵を描くことと自然をこよなく愛する小学5年生。
やってみたいことは、風景画を描くこと。
ヴィタリーさんが描いた絵の風景を見に行くことが夢。